柔道整復師の国家試験に合格したからといって、これで晴れて柔道整復師として仕事ができるというわけではありません。次にすべきことは免許登録です。免許登録をしなければ、柔道整復師として仕事をすることはできません。
免許登録をするにはどのような手続きを経ればよいのでしょう。免許の再発行や変更したい場合と合わせて解説します。
目次
柔道整復師の免許証とは?
柔道整復師になるには国家試験に合格する必要があります。これは言い換えるなら、柔道整復師として仕事に従事している人たちは、国が定める知識やスキルのレベルに達している人達だということ です。
柔道整復師の免許証は、そんな国から認められたことを示す体制綱証明書でもあります。また、免許証がなければ、柔道整復師の仕事に従事することはできません。
ただし、柔道整復師の免許証は、国家試験に合格したからといって、すぐ交付されるものではありません。免許登録という手続きを経て交付されます。その手続きの方法や交付されるまでの期間などについて解説します。
免許証の登録方法
柔道整復師の資格取得は、実は国家資格に合格した時点のことではありません。柔道整復師に関する法規では「柔道整復師の資格の授与は試験に合格した時ではなく、免許登録がなされた時」とされています。
免許をただ単に取得しただけでは、柔道整復師としての資格を取得したことにはならないのです。
免許証の登録は、まず公益財団法人柔道整復研修試験財団に申請書請求用紙と140円分の切手を同封し、申請書を請求します。申請書請求用紙は、柔道整復研修試験財団のホームページからダウンロードできます。
申請書が手元に届いたら、次に以下の書類を用意します。
- 1.医師診断書
- 2.切手を添付した登録済証明書
- 3.登録免許税9,000円分の収入印紙
- 4.手数料4,800円の振込領収書
- 5.戸籍抄本
1つ目の「医師診断書」は、申請書請求用紙同様に、柔道整復研修試験財団のホームページからダウンロードできます。この用紙を病院に持参し、記入してもらいます。
また、柔道整復研修試験財団から取り寄せた申請書には、名前を記載する欄があります。この住所は5つ目の「戸籍抄本」と同じ名前を記載します。時々、戸籍抄本では下の名前が漢字で表記されていますが、通常はひらがなで記入する人がいます。
必要書類に戸籍抄本が含まれているのは、申請書と合っているかどうかをチェックするためです。戸籍抄本に漢字で記載されている場合は、申請書にも漢字で記入しましょう。
上記の5点と、取り寄せた申請書の計6点を一式とし、公益財団法人柔道整復研修試験財団に郵送します。
柔道整復師の免許証を取得した後、いつまでに登録しなければならないという期間は設けられていません。 免許証を取得したらすぐに登録しなければならない、というわけではないので安心してください。
免許登録者数は何人いる
柔道整復師の免許登録者数は年々増加傾向にあるといわれています。厚生労働省が発表した2018年度末の柔道整復師の免許登録者数では、7万3千人を突破したとのことです。
また、公益財団法人柔道整復研修試験財団の発表では、2020年3月末現在の柔道整復師の免許登録者数は10万人を超えています。たった2年で3万人増加しているということです。
最近は特に女性の柔道整復師の人数が増加傾向にあります。これは女性の柔道整復師を求める声が高まっているからです。このことから、今後も柔道整復師の免許登録者数は増加していくと予想されています。
申請書の請求方法・請求先
柔道整復師の申請書は、公益財団法人柔道整復研修試験財団に請求します。ホームページに、申請書請求用紙のPDFがダウンロードできるようになっています。これを印刷して必要事項を記入し、140円分の切手を同封して郵送します。
ただし、申請書が2通必要な場合は210円分の切手を同封して郵送してください。
その後、申請書が郵便で送られてきます。郵送されてきた申請書に必要事項を記入したのち、「登録方法」で解説した5点の必要書類を合わせて再び公益財団法人柔道整復研修試験財団に郵送します。
〒105-0003
東京都港区西新橋1-11-14 日土地西新橋ビル6階
公益財団法人 柔道整復研修試験財団・登録担当
柔道整復師の免許証はいつ届く?
柔道整復師の免許証は、公益財団法人柔道整復研修試験財団に必要書類一式を郵送すればすぐに手に入るというものではありません。柔道整復研修試験財団では、郵送されてきた書類一式に不備がないか細かくチェックします。
不備がないと判断されれば、免許証が交付され、郵送されてきます。
必要書類一式を郵送してから、柔道整復師の免許証が手元に届くまで、最短でも1か月かかるといわれています。それだけ、書類のチェックに時間がかかっているということなのでしょう。
また、年々免許登録者数が増加傾向にあるため、免許証が手元に届く期間は遅くなりつつあるともいわれています。
柔道整復師として仕事をするためには、免許証が必ず必要です。早く仕事に従事したいのなら、合格した時点ですぐに免許登録の手続きを行なった方がいいでしょう。
柔道整復師免許証のサイズは?
柔道整復師の免許証と聞くと、運転免許証のような形式のものを想像する人がいるかもしれません。そのような小型の免許証を想像している場合は、実際の現物が手元に届いた時、少し驚くかもしれません。
詳しい柔道整復師の免許証のサイズについて解説します。
免許証のサイズ
柔道整復師の免許証のサイズは、縦25,4cmの横36,4cmです。書類のサイズで表現するなら、ちょうどB4サイズに相当します。
柔道整復師の免許証は、持ち歩くようなものではありません。病院に飾っておくものです。そのため、ほとんどの柔道整復師はB4サイズが入る額縁を購入し、病院に飾っています。
証明写真のサイズ
免許証というと、運転免許証のような証明写真が必要だと想像する人もいるかもしれません。ですが、柔道整復師の免許証は運転免許証のようなカード型のものではなく、賞状形式です。そのため、証明写真は必要ありません。
ただし、柔道整復師の国家試験を受験する際には証明写真が必要です。国家試験の受験申請をした人と受験者が同一人物かを確認するためです。その時の証明写真のサイズは縦6㎝で横4㎝と指定されています。
柔道整復師免許証の再発行
柔道整復師の免許証を紛失したり、または破いてしまったりした場合は、すぐに免許証の再発行をする必要があります。免許証がなければ、柔道整復師の仕事に従事することはできないからです。
また、柔道整復師の免許証の内容が読めないくらいにまで汚してしまった場合も、その免許証は効力を失います。再発行の手続きをして交付してもらう必要があります。
どのような手続きをして免許証再交付の手続きを行なうのでしょう。その方法や必要書類について解説します。
免許証再交付申請を行う
柔道整復師の免許証再交付申請は、一番最初に免許登録を行なった公益財団法人柔道整復研修試験財団に行ないます。
免許登録を申請する際、柔道整復研修試験財団のホームページにて、申請書請求用紙をダウンロードして必要事項を記入しました。これと同じことを再交付申請でも行ないます。この時、申請区分に「新規」「再交付」「訂正・書換え」の3つの項目があります。
この区分では「再交付」に丸を付け、140円分の切手と共に郵送します。
申請書が手元に送られてきたら、必要書類を一式揃え、再び公益財団法人柔道整復研修試験財団に郵送します。不備なく書類審査が通れば、柔道整復師の免許証が再交付されます。
再交付に必要な書類
柔道整復師免許証の再交付に必要な書類は以下の通りです。
- 1.申請書
- 2.戸籍謄本・抄本、または住民票の写し
- 3.免許証再交付申請のための手数料4,000円の振込領収書
上記の3点を揃えて、公益財団法人柔道整復研修試験財団に郵送します。
柔道整復師免許証の書き換え
柔道整復師の免許証を取得した後、本籍地や名前が変わったりなどして、登録内容の変更が必要な場合が出てきます。この場合は、訂正・書換えの申請が必要です。ただし、引っ越しで所在地が変わった時は、訂正・書換えの申請は必要ありません。
変更があった場合は変更が生じた時点から30日以内に、訂正・書換えの申請を行なわなければいけません。
柔道整復師免許証の訂正・書換えの申請方法について詳しく見ていきましょう。
名簿訂正・免許証書換え交付申請を行う
名簿の訂正・書換えの申請は、公益財団法人柔道整復研修試験財団で行います。
まず、ホームページから申請書請求用紙をダウンロードし、必要事項を記入します。この時、申請区分は「訂正・書換え」に丸印をつけます。そして、140円分の切手と共に郵送します。
後日、柔道整復研修試験財団から必要書類が郵送されてきます。その書類と共に申請に必要な書類を一式揃えて、再び柔道整復研修試験財団に郵送します。
書き換えに必要な書類
免許証の訂正・書換えに必要な書類は以下の通りです。
- 1.申請書
- 2.戸籍謄本・抄本
- 3.名簿訂正・免許証書換え申請に必要な手数料3,700円分の振込領収書
- 4.登録免許税1,000円分の収入印紙(申請書1通につき)
再交付と異なるのは、戸籍謄本や抄本でなければいけない点です。再交付の場合には住民票の写しでも申請が可能でしたが、訂正・書換えの際には戸籍謄本や抄本との照らし合わせが必要です。そのため、必ず戸籍謄本や抄本が必要になります。
また、訂正・書換えには登録免許税として、申請書1通につき1,000円分の収入印紙が必要です。これも忘れず用意しましょう。
更新は必要?免許証の有効期限
柔道整復師の免許証には有効期限がありません。一度免許登録をすれば、半永久的にその免許証で柔道整復師として仕事に従事することができます。
ただし、免許登録の事項と内容が変更になった場合は、その免許証は効力を失います。必ず30日以内に訂正・書換えの申請を行いましょう。
免許登録の削除はできる?
柔道整復師の免許登録は本人の希望により削除することができます。
また、柔道整復師免許証保有者が死亡または失踪した場合には、30日以内に消除申請をしなければならないと法律で決められています。
名簿登録の少女紳士を行なうにはどのような手続きをすればいいのでしょうか。申請方法と必要書類について解説します。
名簿登録の消除申請を行う
柔道整復師の免許登録を削除するには、名簿登録の消除申請を行わなければいけません。免許証保有者が死亡、または失踪した場合は30日以内に消除申請を行うことが義務付けられています。忘れないようにしましょう。
名簿登録の消除申請も公益財団法人柔道整復研修試験財団に行います。まず、申請書請求用紙をダウンロードし、必要事項を記入します。
申請区分欄には、消除申請を行う旨の項目がありません。そこで、下段の連絡事項に消除申請を行なう旨を記入し、名簿登録消除申請書を希望することも書き添えます。
140円分の切手を同封し、公益社団法人柔道整復研修試験財団に郵送しましょう。
登録削除に必要な書類
登録削除に必要な書類は以下の通りです。
- 1.名簿登録消除申請書
- 2.死亡または失踪の宣告を受けたことを証明する書類
- 3.免許証または免許証明書
上記の書類の中で最も重要なものは、2番目の「死亡または失踪の宣告を受けたことを証明する書類」です。本当に死亡または失踪したことが証明される公的な書類を添付する必要があります。
また、免許証や免許証明書も厚生労働大臣に返納する必要があります。申請書と共に、公益社団法人柔道整復研修試験財団に郵送します。
柔道整復師免許証にかかる費用まとめ
柔道整復師の免許証にはそれぞれ一定の費用がかかります。分かりやすくまとめましたので、以下を参考にしてください。
- 新規登録申請・・・手数料4,800円+登録免許税(収入印紙)9,000円=13,800円
- 名簿訂正・免許証書換え申請・・・手数料3,700円+登録免許税(収入印紙)1,000円=4,700円
- 免許証再交付申請・・・手数料4,000円のみ
- 免許登録消除申請・・・手数料、登録免許税共に0円
上記は今回説明した柔道整復師の免許証手続きにかかる費用です。
これ以外にも合格証明書や英訳文証明書の発行もあり、これらにも手数料が必要です。詳しくは、公益社団法人柔道整復研修試験財団のホームページに記載されています。ご確認ください。
柔道整復師の免許証は登録しなければ手に入らない
柔道整復師の免許証は、国家試験に合格した後、免許登録をしなければ取得することはできません。国家試験合格後、すぐに柔道整復師として仕事に従事したい場合は、素早く登録手続きを行ないましょう。