【2020年最新】柔道整復師の国家試験。難易度や学校別合格率を解説!
柔道整復師は、骨折や脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのケガに対して整復や固定といった専門的技術を用いて治療を行う仕事です。
よく整体師と混同されやすいですが、柔道整復師は国家資格。養成校に3年以上通い、国家試験の受験資格を得たのち、試験に合格しなければなりません。
今回は、柔道整復師の国家試験についてや各養成校(専門学校or大学)、学校別の合格率についてご紹介したいと思います。
柔道整復師の国家試験の受験条件とは?
柔道整復士になるには、国家試験への合格が必須となります。国家試験と聞くと「難しそう…」という印象抱きがちです。
国家試験とは、実際どのような制度なのでしょうか?国家試験についてやその合格率、受験資格を得る方法についてまず確認しましょう。
そもそも“国家試験”とは?
日本にはさまざまな資格が存在しますが、その中でも“国家資格”は、知識や技術が一定水準以上に達していることを国によって認定された人が得ることができる資格です。
その認定試験が“国家試験”と言われています。柔道整復師もその中の1つです。
柔道整復師国家試験を受けるためには?
柔道整復師の国家試験を受けるためには、文部科学大臣が指定する柔道整復大学、または都道府県知事が指定する柔道整復専門学校で3年以上学び、必要な技能と知識を習得する必要があります。
また、国家試験の願書提出までに大学・専門学校卒業に必要な単位を取得し、“卒業見込み”の認定を学校で受ける必要があるのです。
願書にも、すでに卒業した者であるのか、卒業見込み者(新卒者)であるのか回答する項目もあります。
柔道整復師の国家試験合格率は?
柔道整復師の国家試験合格率は、H30年で58.4%です。試験内容が難しくなり、合格率が低下しているとされています。
第1回であるH5年の試験では、合格率90%と高く、それ以降もH15年まではほぼ80%台で推移していたものの、それ以降は70%台、60%台と年々合格率が低下。
全体的な合格率は低下しているものの、新卒者の合格率はほぼ80%台をキープしています。
その一方で、既卒者の合格率は15~30%台を行ったり来たりしている状態です。出題基準が変更になったり、制度が変わったりと新しい知識に対応する必要がでてくるため、合格にはやはり“現役合格”がカギとなってきます。
国家試験受験に必要な知識とは?
試験科目は以下の通りです。
解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論及び関係法規
参照:厚生労働省
身体の構造や正常な状態、身体の動かし方、怪我をした後の機能改善についても学びます。
また、それ以外にも柔道整復士の仕事をするにあたっての法律についての知識も問われるのです。これらの科目については、大学または専門学校でのカリキュラムに組み込まれています。
国家試験合格ラインは?
柔道整復師の試験に合格するには、試験の点数が指定された合格ラインに達する必要があります。その合格ラインは以下の通りです。
必修問題(1問1点) | 全30問中の得点が24点以上(総点数の80%以上) |
一般問題(1問1点) | 全200問中の得点が120点以上(総点数の60%以上) |
国家試験は、1日がかりで行われ、午前に必修問題と一般問題・午後に一般問題を実施します。必修・一般のどちらも基準をみたしていないと合格にはなりません。
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柔道整復師になるには、養成校または大学で3年以上学ぶことが必須です。進学するにあたり、「大学と専門学校、どっちに行けばいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか?
大学・専門学校のメリット・デメリットにフォーカスしてみましょう!
大学で柔道整復師を目指すメリット
①4年間じっくりと学ぶことができる
柔道整復師になるうえで、学ぶべきことはたくさんあります。その内容を4年間かけてじっくり学ぶことができるのは、大きなメリットです。
②柔道整復師の必修科目以外も学ぶことができる!
解剖学やリハビリテーション学など、柔道整復師になったときに必要な科目を学べるのはもちろん、一般教養科目を選択できるのは大きいです。
③好きなゼミに所属できる!
自分の興味があるテーマを少人数で研究できるゼミ(ゼミナール)。
柔道整復師に関わる内容を、より濃く学べるのも嬉しいです。仕事に就いてからも相談できる仲間が見つかる可能性も。
④“学士”が取得できる!
大学卒業資格を表す“学士”が取得できるのは大学のみ。
柔道整復師になって就職活動をする際、大学卒者として活動することができます。
⑤更なる進学も可能!
大学で学習する中で、「もっと学びたい」「もっとスポーツについても学びたい」といった学習意欲が湧いてきた際に、大学院への進学も検討することができます。
専門知識を更に上乗せした状態で職に就くことも可能です。
大学で柔道整復師を目指すデメリット
①専門学校に比べて就職まで時間がかかる
最短3年で仕事に就くことができる柔道整復師。大学では4年間と1年長く時間がかかります。
「早く仕事がしたい!」という方にとってはデメリットに該当します。
②学費がかかる
柔道整復師を養成する学科を設けている大学は、全て私立大学です。国立・公立大学よりも学費がかかってしまうこと、その費用が4年間必要となります。
③専門学校に比べて実技や臨床実習対策への時間が少ない
もちろん、実技や臨床実習の期間は定められており、大学でも必要な時間が設けられています。
けれども、どうしても専門学校と比べると実技に要する時間が少なくなりがちです。大学の実技や臨床実習への対策の質が劣っているというわけではありません。
④大学の数が少ない
柔道整復師を養成する学科を設けている大学は全国に14校しかありません。
その中の7校は関東圏のため、地方の方は学校の近くまで出向かなければならず、「自宅から通いたい」という方にはデメリットとなります。
専門学校で柔道整復師を目指すメリット
①最短で柔道整復師を目指すことができる!
専門学校では3年間と最短で柔道整復師を目指すことができます。
大卒者よりも1年早く就職でき、臨床経験を積むことができるのもメリットです。
②必要な科目をじっくり学べる!
専門学校では、柔道整復師に必要な知識や技術を集中して学ぶことができます。
③全国から近い学校を選べる!
柔道整復師を養成する専門学校は、全国に89校あります。
関東圏はもちろん、地方にも養成校があるため、「自宅から通いたい」「帰省しやすい距離の学校を選びたい」という希望も通りやすいです。
④少人数でしっかり学べる!
定員30~40人制をとっていることが多い専門学校。少人数でしっかりと学べる環境が整っているのもメリットです。
⑤実技や臨床実習への対策が充実!
実技や臨床実習、その対策が充実しているのも専門学校のポイントです。
その実技の充実さから、スポーツトレーナーを目指している方も、必要な知識・技術が得られます。
専門学校で柔道整復師を目指すデメリット
①時間の余裕がない
大学は実習を含め国家試験までに4年間ありますが、専門学校は全ての科目・実技、実習を3年間でこなさなければなりません。
必須科目が終わったと思えばすぐに国家試験と、時間に余裕がないのは専門学校のデメリットです。
②取得資格は“専門士”
専門学校卒業後に得られる資格は”専門士“です。
就職の際に、大卒者と専門卒者で給与の設定に違いを設けている会社もあります。その点でややマイナスとなることも。
③学べる内容は必須科目のみ
専門学校は柔道整復師に必要な専門知識をしっかりと学ぶ学校です。一般教養科目も同時に学びたいという想いは叶いません。
④“心変わり”はナシ…
学校で知識を身につける中で「やっぱりやりたいこととちがうかもしれない…」という気持ちが生じた場合、専門学校では柔道整復師以外の国家資格を取得することはできません。
大学のように、一般教養科目の履修を活かして違う道に進むこともできるかもしれませんが、専門学校ではそれが難しいです。
どこがおすすめ?学校別の国家試験合格率
柔道整復師を養成する学科を設ける大学は、全国に14校、専門学校は89校あります。学校ごとに力を入れていること、合格率が異なります。
学校別の合格率や各学校のおすすめポイントをチェックしましょう!
国家試験合格率~大学~
大学ごとに、合格率に大きなばらつきが見られました。最高で上武大学の95.8%と、かなり高い合格率です。
また、大学ごとに目指せる職種が多い学校もあり、合格率はもちろんのこと、目指せる職種の多さで学校を選ぶのもポイントでしょう。
学校名 | 定員 | 合格率 |
帝京有明大学(東京) | 60名 | 62.2% |
了徳寺大学(千葉) | 60名 | 81.3% |
環太平洋大学(岡山) | 60名 | 88.6% |
宝塚医療大学(兵庫・和歌山) | 60名 | 55.4% |
明治国際医療大学(京都) | 40名 | 68.5% |
常葉大学(静岡) | 30名 | 44.2% |
上武大学(群馬) | 40名 | 95.8% |
帝京科学大学(東京・山梨) |
30名(東京西キャンパス) | 55.3% |
帝京科学大学(東京・山梨) 医療科学部東京柔道整復学科 |
90名(千住キャンパス) | 76.0% |
帝京平成大学(東京・千葉) 健康医療スポーツ学部 |
30名 | 86.7% |
帝京平成大学(東京・千葉) ヒューマンケア学部 |
119名 | 73.8% |
日本体育大学(東京・神奈川) | 90名 | 72.2% |
東亜大学(山口) | 80名 | 45.0% |
関西医療大学(大阪) | 40名 | 45.0% |
帝京大学(東京・栃木・静岡) | 90名 | 73.8% |
帝京短期大学(東京) | 30名 | 76.5% |
国家試験合格率~専門学校~
専門学校は、柔道整復師に必要な科目を集中的に学ぶということもあり、全体的に新卒者の合格率が高いのが特徴です。
学校数も多いため、地域ごとの合格率の高い学校(トータルの合格率と新卒者合格率)をまとめたいと思います。
北海道・東北エリア
学校名 | 定員 | 合格率 |
八戸保健医療専門学校 | 30名 | 88.9%(新卒88.9%) |
北海道メディカル・スポーツ専門学校 | 60名 | 62.5%(新卒86.8%) |
東日本医療専門学校 | 60名 | 62.0%(新卒91.7%) |
関東エリア
学校名 | 定員 | 合格率 |
育英メディカル専門学校 柔道整復学科 |
30名 | 100%(新卒100%) |
さいたま柔整専門学校 | 120名(朝60名 夜60名) | 95.0%(新卒100%) |
日本健康医療専門学校 | 120名 | 84.6%(新卒100%) |
北陸・甲信越エリア
学校名 | 定員 | 合格率 |
北信越柔整専門学校 | 30名 | 95.2%(新卒97.3%) |
信州医療福祉専門学校 | 30名 | 63.8%(新卒93.5%) |
東海エリア
学校名 | 定員 | 合格率 |
米田柔整専門学校 | 90名 | 90.2%(新卒95.2%) |
静岡医療学園専門学校 | 30名 | 84.4%(新卒100%) |
関西エリア
学校名 | 定員 | 合格率 |
大阪府柔道整復師会専門学校 | 30名 | 84.4%(新卒100%) |
大阪医専 | 50名 (昼20名/夜30名) | 66.7%(新卒100%) |
中国・四国エリア
学校名 | 定員 | 合格率 |
MSH医療専門学校 | 30名 | 78.9%(新卒100%) |
朝日医療大学校 | 60名 | 75.9%(新卒88.3%) |
九州・沖縄エリア
学校名 | 定員 | 合格率 |
福岡医療専門学校 | 60名 | 100%(新卒100%) |
鹿児島第一医療リハビリ専門学校 | 30名 | 94.1%(新卒100%) |
まとめ
今回は、柔道整復師の国家試験や大学・専門学校についてまとめました。
年々合格率が低下している柔道整復師の国家試験に合格するには、学校選びもとても重要となってきます。合格率はもちろん、もしも国家試験に合格できなかった際のサポート体制も重要です。
全体の合格率が高い学校は、そのあたりのサポートも充実している傾向にあります。視野を広げ、さまざまな面を考慮した学校選びがおすすめです。
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