2020/05/05
柔道整復師・国家試験

柔道整復師国家試験の過去問一覧。問題数や合格ラインは?

問題集

国家資格である柔道整復師の近年の合格率は60%前後。4割近くが合格できないことを考えると、なかなか難関な試験だということがわかります。

かつては合格率80%以上だった柔道整復師ですが、年々試験内容のレベルが上がっていると言われています。

今回は過去4回の試験からランダムに15問の過去問を用意しました!

過去問を解くことで自分の実力を知るだけでなく、いま必要な学習を読み取る参考にもなりますよ。

試験前の腕試しをしたい人にもおすすめです!

※本記事に記載の問題または回答の著作権は公益財団法人柔道整復研修試験財団に帰属します。

柔道整復師国家試験の概要

マークシート

柔道整復師の国家試験について、試験科目や問題数、合格ラインなど試験の概要をまずは見てみましょう。

概要

柔道整復師の国家試験は1年に1回実施されています。

実施日

毎年3月(年に1回)

出願期間

1月上旬〜下旬

受験票配送

2月中旬頃

受験資格

学校教育法第90条に定める大学入学資格があり、3年以上専門学校や大学・養成施設で専門的な知識や技能を学んだ者

試験地

北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県

試験科目

全11科目

(解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規)

受験手数料

16,500円

時間

午前9時半〜午後4時

回答方式

選択式

合格発表

3月下旬頃

柔道整復師は、3年以上柔道整復師に必要な知識や技術を専門的な環境で学んだ人しか受けられない資格です。

独学で取得できる資格ではないんですね。

柔道整復師の試験は、全国の各都道府県で行われるわけではなりません。

実施都道府県にある大学やホール、ホテルなどが試験会場となるので、自宅からの行き方や前泊の必要の有無など、前もってシミュレーションしておきましょう。

試験は1日がかりで、午前と午後の二部制です。午前午後各2時間半ずつの試験時間になります。

実施日や出願期間は例年特に変更ありませんが、試験日・場所・受験願書の提出期限などの確定情報は9月初旬に官報で発表されるので、必ずそちらを確認してください。

問題数

柔道整復師の試験の問題数はこれまで全230問でしたが、2020年3月(第28回)の試験から250問に増えました。

問題数の内訳と出題範囲

 

問題数

出題範囲

必修問題

50問

「柔道整復術の基礎」「保険診療に関する知識」「関係法規に関する知識」など

一般問題

200問

解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論

第28回以降の試験では関係法規に関する出題は一般問題からは削除され、必修問題の範囲となりました。

また一般問題では臨床実地問題数の出題比率が変わっています。

15問程度だった臨床実地問題数は20 問(「柔道整復理論」は 15 問)程度に増えています。
※2022 年(第30回)の試験からは臨床実地問題数は25 問(「柔道整復理論」は 20 問)に増える予定です。

この改訂は柔道整復師の国家試験の質の向上が狙いです。

試験合格のポイント

  • ・柔道整復師としての基本的事項の理解
  • ・実際に患者さんと関わる上で重要な基本的な思考力や判断力が身についているか

2020年3月(第28回)の試験では、午前の部では128問、午後の部で122問の出題がされています。

合格ライン

柔道整復師の国家試験は、問題数が変わっても合格ラインは変わっていません。

柔道整復師の国家試験の合格ライン

  • ・必修問題…8割(40点)
  • ・一般問題…6割(120点)

試験はすべて選択式問題です。記述式・論文式の問題はなく、1問あたり1点の配点となります。

必修問題と一般問題どちらも合格基準に達しないといけないので、試験対策は偏らないようにしましょう。

柔道整復師国家試験の過去問一覧

問題集

柔道整復師国家試験の直近4回の過去問リンクです。

 

受験者数

合格者数(合格率)

過去問

第24回(平成27年度)

7,115名

4,582名(64.4%)

第24回過去問

第25回(平成28年度)

6,727名

4,274名(63.5%)

第25回過去問

第26回(平成29年度)

6,321名

3,690名(58.4%)

第26回過去問

第27回(平成30年度)

6,164名

4,054名(65.8%)

第27回過去問

公益財団法人柔道整復研修試験財団が、近年の医療の変革に伴って試験の改善論点などについて整理し始めたのが、平成26年です。

第24回(平成27年度)の試験では合格率が初めて65%を下回ったので、もしかしたら試験の出題傾向への影響がこの頃からあった可能性も…!?

第24回、第25回、第26回に加え、最新の過去問(第27回分)までのリンクをまとめたのでぜひ参考にして下さい!

柔道整復師国家試験の過去問にチャレンジ!

TRY

第24回、第25回、第26回、第27回の柔道整復師国家試験の過去問を、ランダムに15問出題します。

今後の試験対策として、臨床実地問題や関連法規に比重を置いて選んでいます。
ぜひ8割=12問正解を目指してチャレンジしてみてくださいね!

問題1.長期臥床による合併症はどれか。

  1. 1.挫滅症候群
  2. 2.脂肪寒栓症
  3. 3.区画症候群
  4. 4.深部静脈血栓症

回答

4.深部静脈血栓症

問題2.腱板断絶の新鮮例で正しいのはどれか。

  1. 1.自動外転運動で疼痛が増強する。
  2. 2.筋萎縮がみられる。
  3. 3.結節間溝部に圧痛を認める。
  4. 4.診断にはヤーガンソンテストが有用である。

回答

1.自動外転運動で疼痛が増強する。

問題3.上腕骨内側上顆後面で触れるのはどれか。

  1. 1.筋皮神経
  2. 2.正中神経
  3. 3.橈骨神経
  4. 4.尺骨神経

回答

4.尺骨神経

問題4.診療録の保存期間で正しいのはどれか。

  1. 1.1年
  2. 2.3年
  3. 3.5年
  4. 4.10年

回答

3.5年

問題5.脳梗塞を6ヶ月前に発症し、現在、利き手の右手に重度の麻痺が残存している。食事動作訓練で正しいのはどれか。

  1. 1.麻痺が回復するまで右手の機能訓練を行う。
  2. 2.右手で自助具を用いて食事動作訓練を行う。
  3. 3.左手で食事動作訓練を行う。
  4. 4.介助で食事するように家族指導を行う。

回答

3.左手で食事動作訓練を行う。

問題6.78歳の男性。高血圧を指摘されていた。脳出血を発症し、3ヶ月のリハビリテーション後に在宅療養を開始した。右上下肢の完全麻痺を呈している。正しい組み合わせはどれか。

  1. 1.バビンスキー反射 ー 母趾は足底側に屈曲
  2. 2.右上肢の姿勢 ー バレー肢位
  3. 3.画像所見 ー 右大脳半球に病変
  4. 4.再発予防 ー 血圧の管理

回答

4.再発予防 ー 血圧の管理

問題7.医療従事者が医療の遂行において医療的準則に違反して患者に被害を発生させるのはどれか。

  1. 1.インシデント
  2. 2.医療過誤
  3. 3.医療事故
  4. 4.インフォームド・コンセント

回答

2.医療過誤

問題8.室間孔がつなぐ部位はどれか。

  1. 1.左右の側脳室
  2. 2.側脳室と第三脳室
  3. 3.側脳室と第四脳室
  4. 4.第三脳室と第四脳室

回答

2.側脳室と第三脳室

問題9.法令において誤っているのはどれか。

  1. 1.法律の制定には国会の議決が必要である。
  2. 2.柔道整復師施行規則は政令である。
  3. 3.府令は内閣総理大臣(内閣府)が発する。
  4. 4.柔道整復師法は公法である。

回答

2.柔道整復師施行規則は政令である。

問題10.21歳の男性。2ヶ月前にバスケットボール試合中に左膝左膝を打ち負傷した。脛骨粗面部の発赤と腫脹を認めていたが、症状は軽快したという。最近、運動時に膝窩部痛が出現し来所した。ラックマンテストでエンドポイントはあるが、膝90度屈曲位で脛骨を前へ引くと出るような感じとそこから後ろに押すと戻るような感じがある。考えられるのはどれか。

  1. 1.ジャンパー膝
  2. 2.前十字靭帯損傷
  3. 3.オズグット-シュラッター(Osgood-Schlatter)病
  4. 4.後十字靭帯損傷

回答

4.後十字靭帯損傷

問題11.「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」が定める患者自身の意思による入院はどれか。

  1. 1.応急入院
  2. 2.措置入院
  3. 3.任意入院
  4. 4.医療保護入院

回答

3.任意入院

問題12.労働災害で正しいのはどれか。

  1. 1.死亡災害は増加している。
  2. 2.休業4日未満は補償されない。
  3. 3.疲労と労働災害の発生は関係がない。
  4. 4.精神障害による認定件数は増加している。

回答

4.精神障害による認定件数は増加している。

問題13.介護保険の要支援2で利用できるサービスはどれか。

  1. 1.居宅サービス
  2. 2.施設サービス
  3. 3.介護予防サービス
  4. 4.地域密着型サービス

回答

3.介護予防サービス

問題14.平成28年の学校保健統計調査で児童の被患率がう歯に次いで次いで高いのはどれか。

  1. 1.喘息
  2. 2.肥満傾向
  3. 3.胸郭・脊柱異常
  4. 4.裸眼視力1.0未満

回答

4.裸眼視力1.0未満

問題15.36歳女性。退職し母親の介護を始めた昨年から体重が10kg増加した。2週間前から右足関節内果周辺に痙痛がみられ、内果後方から遠位にかけて軽度の圧痛を認めた。踵部は外反位を呈し、爪先立ちは痛みのため困難である。考えられる疾患はどれか。

  1. 1.内果疲労骨折
  2. 2.シンスプリント
  3. 3.変形性足関節症
  4. 4.後脛骨筋腱炎

回答

4.後脛骨筋腱炎

柔道整復師の過去問を解いて必要な学習を読み取ろう!

柔道整復師の国家試験過去問チャレンジはいかがでしたか?

過去問はただ解いて正答率を確認するだけでなく、自分の苦手分野を知ることができます。

第28回からは臨床実地問題数を増やす改訂が行われているため、学習の傾向も変えていく必要があります。

公益財団法人柔道整復研修試験財団の公式サイトでは過去問をチェックできますが、あいにくまだ第28回の問題は載っていません。(2020年4月現在)

第28回の試験内容は今後の試験対策の参考になるので、公式サイトもこまめにチェックしてみてくださいね。