2020/08/31
柔道整復師・国家試験

柔道整復師は独学でなれる?資格取得に必要な条件を解説

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最近はさまざまな資格を独学で取得する人が増えてきています。

柔道整復師も資格が必要ですが、独学で柔道整復師の資格は取得できるのでしょうか。

柔道整復師に必要な条件や独学での取得の可否について解説します。

柔道整復師は独学でもなれる?

昨今は、国家試験でも独学で合格して資格を取得することが可能になってきています。

柔道整復師も国家試験に合格しなければいけません。独学で資格取得が可能なのかどうか、疑問に感じている人もいるでしょう。もし可能なら、独学で取得したいと思っている人もいるかもしれません。

結論から申し上げますと、独学で柔道整復師の資格を取得することは不可能です。受動整復師の資格を取得するためには国家試験を受験しなければいけません。この国家試験には受験資格が設けられており、独学でその条件をクリアすることは不可能になっています。

具体的な受験資格や必要な条件については以下の項目で紹介します。

柔道整復師の資格取得のために必要な条件とは?

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柔道整復師の資格を取得するためには、国家試験に合格しなければいけません。

しかし、国家試験は誰でも受験できるわけではなく、受験資格が設けられています。どのような条件が設けられているのか、それぞれ詳しく解説します。

認定されている養成施設で3年以上学ぶ

柔道整復師になるためには、まず最初に認定されている養成施設で3年以上学ぶ必要があります。どこの養成施設でも良いというわけではありません。柔道整復師になるために必要な条件を満たした養成施設は、厚生労働省が認定しています。

厚生労働省からの認定を受けている養成施設は、その旨を明確にしています。養成施設の講義科目や内容を見ると、「柔道整復師」や「柔道整復師国家試験の受験資格取得」などの文言が書かれていますので、チェックすると良いでしょう。

ちなみに養成施設には、大学・短大・専門学校の3タイプあります。短大と専門学校は3年生ですが、大学だけは4年生となっています。学校選びをする際にはこの点に注意してください。

認定実技試験に合格する

柔道整復師の養成施設では、「認定実技試験」が実施されます。一般的な学校で言うところの卒業試験のようなものです。この認定実技試験に合格することで、晴れて学校卒業になります。

また、卒業と同時に柔道整復師国家試験に受験するために必要な過程が修了したという証明にもなります。言い換えるなら、認定実技試験に合格しなければ、卒業もできませんし、修了証明も手に入れることができず、柔道整復師国家試験に受験することもできないということです。

国家試験に合格する

柔道整復師の養成施設で認定実技試験に合格すれば、次は柔道整復師国家試験の受験です。国家試験に合格することで、柔道整復師の資格が取得できます。

柔道整復師国家試験の合格率は60%前後です。試験内容は年々難易度が上がっていると言われています。それだけ合格しにくい内容になってきているということです。

しかし、柔道整復師の養成施設はスキルや知識を学ぶと同時に、国家試験対策も行ないます。最初の難関である国家試験に合格しなければ、柔道整復師として業務に携わることができないからです。

養成施設では、国家試験に特化したカリキュラムを組んでいるところもあります。重要なポイントや頻出度の高い問題なども学習できるので、しっかり対策を行なうことができるでしょう。

柔道整復師は通信教育でもなれる?

近年、通信教育で学習をして資格取得をする人が増えてきています。多くのニーズに合わせてさまざまな通信講座も増えてきていて、資格取得がしやすい環境にもなってきています。

また、仕事と両立して資格取得を目指している人にとっては、通信教育は大変便利です。講座によってはスマホなどに対応しているものもあるため、スキマ時間をフルに活用して学習を進めることが可能です。

柔道整復師も通信教育で学ぶことができれば便利なのに、と思っている人もいるでしょう。通学とは異なり、自分のペースで学習を進めることができるのは大変魅力的でもあります。

しかし、柔道整復師は通信教育で学習することができません。それは、柔道整復師の通信講座は開講されていないからです。

開講されていない理由の一つに、認定実技試験が挙げられます。

「実技」とついているように、実際に教官に柔道整復師としてのスキルを判定してもらわなければならないのです。

認定実技試験に合格するためには、学習の段階で実技の授業を受ける必要があります。通信教育で実技の授業を行なうことは不可能と言えます。

実際に講師についてもらって直接スキルを学ばなければ、必要な実力は身につきません。

このような理由から、柔道整復師を通信教育で学んで資格取得することは不可能なのです。

整体師なら独学でもなれる

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柔道整復師は独学で資格を取得することは不可能です。ですが、整体師なら独学でなることができます。疑問に思う人がいるかもしれませんが、柔道整復師と整体師は名前別物だからです。

そこで、柔道整復師と混同されやすい整体師について解説します。

柔道整復師と整体師の違いは?

柔道整復師と整体師の違いには大きく分けて2つあります。それは、「資格の種類」と「保険治療の可否」です。

柔道整復師は厚生労働省が認定する養成施設で必要な過程を修了し、国家試験に合格しなければいけません。柔道整復師の資格は国から認められた国家資格なのです。

一方の整体師は、通信教育やスクールなどを利用して、必要な知識やスキルを学びます。これらは民間で運営されており、資格も民間が運営しているものになります。国家資格ではなく、民間資格だということです。

更に柔道整復師は保険適用の治療を行なうことができます。国から認められた資格を取得しているため、保険を適用した治療を行なっても良いとされているのです。

整体師は民間資格であり、国家資格ではありません。そのため、保険適用の治療はできません。もし保険を適用した場合は罰せられます。

整体師が行ってはいけない行為

整体師には絶対に行なってはいけない行為があります。それは保険適用の施術です。

保険適用の施術を行なうためには、国から認められた資格を取得していなければいけません。柔道整復師や医者や看護師と同様に国家資格です。しかし、整体師は国家資格ではなく民間資格です。そのため、保険を適用した施術は禁止されています。

更に、怪我に直接影響を与える施術も行なうことは禁止されています。具体的には骨折やねんざ、脱臼や打撲などの治療です。

これらは医療類似行為と言われ、治療を行なうことができる人は限られています。整体師はこの医療類似行為ができる資格に含まれていないため、行なってはいけないのです。

整体師が行ってもよい行為

整体師が行なっても良いのは、代替医療行為のみです。具体的には骨格や関節のゆがみなどを元に戻したり、身体の不調を改善したりすることのみ可能とされています。

また、施術の料金はすべて自費です。具体的な金額は自分で決めることができます。しかし、あまり高い金額に設定してしまうと患者様が来なくなってしまうという弊害が生じるので注意が必要です。

独学でも取れる民間資格もある

「整体師」と呼ばれる資格は存在しません。

肉体の緊張状態を解き、リラックスした状態にすることを目的としたボディ系セラピーを行なっている人を総称して整体師と呼びます。整体師として呼ばれる主な資格は以下の通りです。

  • ・カイロプラクティック
  • ・リフレクソロジー
  • ・オステオパシー

上記の資格はすべて民間資格です。必要な知識やスキルを得るためのテキストや問題集が書店に売られていますので、それらを利用して独学で取得することが可能です。

また、独学で不安な人は通信講座も開講されていますので、それを利用するのも良いでしょう。

開業を目指すなら柔道整復師の取得がおすすめ

整体師と呼ばれている資格は、独学でも取得可能ですし、通信講座も開講されています。民間ではありますが、取得すれば資格保持者として独立開業することも可能です。しかし、本気で独立開業を目指すのなら、柔道整復師の取得をおすすめします。

独立開業した場合、重要となるのは施術料です。継続して通院が必要になった場合、高い施術料がかかる病院に行く人は少ないでしょう。また、安さで考えるなら保険適用ができる点は圧倒的に有利です。

整体師は保険適用の施術はできませんが、柔道整復師なら保険適用の施術が可能です。独立開業した場合、保険適用の施術ができるのは大きな武器になるでしょう。安定した収入を得るという面も考慮した場合、柔道整復師の資格を取得する方が大変有利と言えます。

独学での資格取得は不可能。夜間学校などを活用しよう

柔道整復師の資格は独学では不可能です。しかし、専門学校などでは夜間コースも用意されています。

夜間コースは学習時間が限られているため、全日制に比べて費用も低く設定されています。費用面などに不安のある場合は、是非夜間学校なども選択肢の一つに入れてみてください。