2020/04/11
柔道整復師とは

女性の柔道整復師の割合は?需要や給与などについて解説!

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柔道整復師を目指しているのは男性ばかりではありません。女性の中にも柔道整復師を目指して勉強をし、経験を積んでいる人たちが多くいます。そんな女性の柔道整復師の割合や需要はどれほどなのでしょう。年収や女性ならではの悩みにも焦点を当てて解説します。

女性柔道整復師は意外と多い?その割合は?

女性の柔道整復師の割合は、全体の約2~3割を占めていると言われています。ただ、この数字は2017年現在のデータです。実際はもっと多くの女性が柔道整復師になって活躍しています。

柔道整復師の学校においても、学生の比率は7:3~6:4と、女性の比率が上がってきています。年齢層は10~60代と幅広く、特に10代と20代に多く見られます。それだけ将来性の高い仕事だと感じて、多くの女性が柔道整復師を目指しているのです。

今後、ますます女性で柔道整復師を目指す人は増えていくでしょう近い将来、男女比も逆転するのではないかと予想している人もいます。それだけ、多くの女性が柔道整復師に注目しているということです。

年々高まる女性柔道整復師の需要

柔道整復師を目指す女性は年々増えてきています。それは、柔道整復師の女性の需要が年々高まってきているからです。その理由の一つに、女性患者が増えてきているということが挙げられます。

柔道整復師に施術をしてもらう時、身体を触られることになります。女性の中には、国家資格を持った技術者だとわかっていても、男性に身体を触られることに抵抗がある人も多くいます。そのような患者様には同じ女性の柔道整復師が施術した方が、リラックスして施術を受けて頂くことができます

また、女性の身体のことは同じ女性の方が良く知っています。どこがどんな風に痛いのかは、男性と女性で違っていることも多いのです。このような性別によって異なる痛みや辛さは、長年の経験を積んだからと言ってわかるようなものではありません。自分の立場に置き換えて施術をした方が、より女性患者様の希望に合った治療ができるというのも、女性の柔道整復師の需要が高まっている理由の一つとして挙げられます。

女性柔道整復師の給料・年収は?

女性柔道整復師の給料や年収はどれくらいなのか、気になる人も多いでしょう。年代によって給料や年収は異なりますが、多いとされているそれぞれの年代の給料や年収は以下の通りです。

 

女性の年代

月給

年収(ボーナス込み)

20代

17.4万円

272万円

30代

22万円

313万円

40代

25万円

404万円

女性だけで見ると、いまいちピンとこない人もいるかもしれません。そこで、同じ年代で男性の月給と年収を見てみましょう。

 

男性の年代

月給

年収(ボーナス込み)

20代

20万円

288万円

30代

27.4万円

386.5万円

40代

32.8万円

464万円

男性に比べて女性の方が全体的に月給も年収も少なめです。

ただ、20代女性が就職して得られる一般的な平均年収は243万円と言われています。それに比べると多いのは、柔道整復師という仕事が技術職であり、国家資格が必要な仕事でもあるからでしょう。

ただし、これはあくまで接骨院や整骨院に勤務した場合の月給や年収です。開業すると金額は大きく異なります。開業は柔道整復師としての技術だけでなく、開業後の経営手腕も問われます。そのため、一概にいくらということは言えないのが現状です。

女性柔道整復師のよくある悩み

女性柔道整復師には、男性にはない女性ならではの悩みがあります。現場の女性柔道福祉士の皆さんは、どんな悩みを抱えながら仕事をしているのでしょう。最も多い女性柔道整復師の悩みを3つ取り上げて紹介します。

結婚や子育てが難しい

柔道整復師の仕事は、他の職業に比べて拘束時間が長いという特徴があります。朝は早くから出勤して開院の準備をします。また、閉院の時間になったからと言って、すぐに病院を閉めることはできません。施術中の患者様がいれば対応しなければいけません。更に、閉院後には事務作業やカルテの整理などが残っています。これらのことをすべて終えてから家に帰ると、日付が変わりそうになっていることもしばしばです。

拘束時間が長くなると、それだけ疲れますから休日に出かけるということは少なくなります。すると、出会いが減ってしまい、結婚する機会を逃してしまうこともあるでしょう。また、時間通りに帰ることができないため、子育てと並行して仕事を続けることも困難です。

ただ、女性の多くは子育て期間中は仕事を辞め、子供の手が離れると再び就職します。ある程度の経験があれば、女性柔道整復師の需要は大変多いので、再就職先はすぐに見つかるというのが現状です。

体力的にも精神的にも仕事が辛い

柔道整復師の仕事は立ち仕事がほとんどです。また、施術の際にもそれなりの体力を消耗します。体力勝負の仕事ですから、その体力が追い付かずに仕事を辛いと感じる女性もいます。

また、体力的に辛いと感じ始めると、心の方も不安定になってきます。心と身体はつながっているので、疲れやストレスが溜まると精神的な面でもきついと感じるようになってしまうのです。

そのようなことにならないように、あえてジムに通ったり意識して身体を動かしたりする柔道整復師が多くいます。階段を使うようにしたり、普段から早歩きをするようにしたりすることで、日常的に体力をつける努力をしているのです。

ある程度体力がついてくれば、立ち仕事も辛くなくなりますし、施術の際に体力を消耗してもすぐに回復することが可能です。体力は精神力にも影響しますから、精神面での疲れも感じにくくなるのです。

職場に女性が少ない

全国での女性柔道整復師の割合は2~3割程度です。まだまだ人数が少ないため、いざ働き始めてみると女性がいないということもよくあります。仕事の悩みや日常生活の相談など、女性にしか話せないことを話題にできないという悩みを抱えている女性も多くいます。

ただ、これは考え方次第でチャンスになることもあります。女性が少ないということは、男性が多い職場だということです。仕事の話を通じて新しい出会いを得ることができたり、柔道整復師として働き始めてから彼氏ができた、という声も上がっています。

それでも女性が柔道整復師を目指す理由とは?

女性が柔道整復師を目指す大きな理由の一つは、需要が増えてきているという背景にあります。女性だけでなく、ご年配の方の中にも女性柔道整復師の方が施術が丁寧で安心する、という声が多く寄せられています。整骨院や接骨院はたくさんありますが、女性柔道整復師はまだまだ人数が少ないので、他の職業に比べて将来性があるのです。

また、現役を一旦退いた後、再就職するのも他の職業に比べて容易です。これも、需要と供給が関係しています。多くの整骨院や接骨院は、女性柔道整復師を求めています。ある程度の経験を積んでいれば、子育てなどで現役を退いた後も、再就職先に困ることがありません。

女性ならではの丁寧できめ細かな施術が求められています。男性にはない気遣いなども女性は無意識にできるので、患者様にも高評価が得られます。それが病院の評判になることもあり、女性柔道整復師はまだまだ引く手あまたです。

このような理由から、仕事での悩みがあっても女性柔道整復師を目指して学校に通う人が増えています。また、学校側も女性専用の寮を完備するなどのサポートやバックアップを行なっています。これも、理由の一つとして挙げられるかもしれません。

柔道整復師の女性が活躍する・できる職種

女性柔道整復師が活躍できる場はどれくらいあるのでしょう。いざ学校を卒業しても、どんなところで活躍できるのかわからなければ、不安になります。そこで、女性柔道整復師が活躍できる場所や職種をご紹介します。

接骨院・整骨院

女性柔道整復師が活躍する場として最もポピュラーなのは、接骨院や整骨院です。現在、接骨院や整骨院は数多く開業されていますし、これからも増加傾向にあります。ですが、女性柔道整復師の人数は充分ではありません。

接骨院や整骨院の中には、女性柔道整復師がいるからという理由で多くの患者様が集まるところもあります。それだけ患者様の間で女性柔道整復師が求められているのです。女性柔道整復師を求めている接骨院や整骨院はたくさんありますから、学校を卒業した後も就職先に困ることはないでしょう。

介護施設

実は、介護施設でも女性柔道整復師の存在が不可欠になりつつあります。女性ならではのきめ細やかな施術や治療を求めるご年配の方が多いからです。男性よりも女性の方が安心するという声も多く上がっています。

同性のケアマネジャーや機能訓練指導員を求めている利用者も多いため、女性の利用者が多い介護施設では、女性の募集をしていることが多いです。

介護施設も整骨院や接骨院同様に、年々増加傾向にあります。ですが、女性柔道整復師が常駐している介護施設はまだ多くありません。需要に対して供給が追い付いていないので、女性柔道整復師の中には、介護施設への就職を希望する人も増えつつあります。

病院

個人病院の中には、マッサージ施設を完備しているところが多くあります。ここで治療にあたっている人の中に柔道整復師がいるのです。多くの病院で施術にあたっているのは、男性の柔道整復師です。ですが、これは女性柔道整復師の人数が少ないからです。

病院の中には、女性柔道整復師を雇いたいと思っているところも数多くあります。また、女性柔道整復師を望む患者様の声が高まってきていることもあり、今後も女性柔道整復師を求める病院は増えていくでしょう。

スポーツトレーナー

柔道整復師の養成学校や大学に入学すると、並行してスポーツトレーナーとしての資格も取得できるカリキュラムが用意されている場合があります。柔道整復師の国家資格と共にスポーツトレーナーの資格も取得しておけば、その職業に就くことも可能です。

女性選手の中には、女性のスポーツトレーナーについて欲しいと思っている人もいます。同性という観点からスポーツ選手を支えることができるので、大変やりがいのある仕事です。同性として心のケアにもあたることができるので、スポーツ選手にとっても大切なパートナーとして迎え入れてくれるでしょう。

女性柔整師の活躍の場は今後も広がっていおく

女性柔道整復師の活躍の場は、これからもどんどん増えていきます。それだけ求める声が高まってきているからです。女性が資格取得を目指しやすくなるように、サポートやバックアップ体制を整えている学校もあります。しっかり情報収集をして、将来性のある柔道整復師を目指してください。