整骨院では、施術用の回数券を発行しているところがあります。
回数券を購入することで、1回分の施術が無料になることもあるので、利用している人も多いでしょう。ですが、使わなくなったら余った回数券はどうなるのでしょうか?
今回のコラムでは整骨院の返金が受けられる条件などについてご紹介します。
整骨院の使わなくなった回数券は返金してもらえる?
整骨院では、独自の回数券を発行しているところがあります。回数券を購入して利用することで、1回分の施術が無料になるなどの特典がついているので、回数券を利用する人も多くいます。
その一方で使わなくなった回数券の返金を申し出たけれど、返金してもらえないというケースも多発しています。
1回や2回分なら仕方ないと諦めることもできるでしょう。ですが、仮に10枚綴りの回数券で半分以上残っていた場合、返金してもらえないことに納得できない人も多くいます。
整骨院で使わなくなった回数券の返金については、消費者センターに相談することで、返金に応じてもらえるケースもあります。
整骨院で返金を申し出たけれど返金に応じてもらえなかった場合は、泣き寝入りする前に消費者センターに相談してみるのも一つの方法です。
整骨院で返金してもらえる条件とは?
整骨院でのすべての施術が返金対象になっているというわけではありません。基本的には保険適用内での施術のみが返金対象となります。
具体的には、本来保険適用内での施術をしてもらったが、その時保険証を忘れて全額負担で施術料を支払ったケースです。
この場合は、後日保険証を整骨院に持参することで、その時の施術料が保険適用で改めて計算され、差額分を返金してもらうことができます。
整骨院の保険が適用される施術の範囲
整骨院の施術では保険が適用される範囲と、保険が適用されない範囲があります。保険が適用される範囲での施術では、当然保険証を使用して安い金額で施術を受けることができます。
保険が適用されない範囲での施術は、全額自己負担になります。もし仮に、保険が適用されない範囲での施術に保険証を使用した場合、後日保険分も自己負担で支払わなければならないということになります。
それでは、保険が適用される施術とされない施術には、それぞれどのようなものがあるのでしょう。具体的なケースをご紹介します。
保険が適用されるケース
医師の同意の有無 |
施術内容 |
必要 |
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不要 |
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整骨院の施術で保険が適用されるケースは上記の一覧表のとおりです。基本的に、医師の同意が必要なものについては、保険が適用されます。医師の同意が必要なものについては、通院している病院で診断書を書いてもらい、それを持って整骨院に行きます。
また、医師の同意が不要なものでも、保険が適用される施術もあります。その場合は、柔道整復師などが自分の知識と経験から症状を判断し、施術を行ないます。
保険が適用されるケースでは、施術を受けた時に保険証を持っておらず、全額負担をした場合に限り、後日保険証を持参すれば差額を返金してもらえます。
ただし、必ずいつまでに保険証を持ってきて欲しいと伝えられますから、その期日まで保険証を持参しましょう。
期日を伝えられなかった場合は、いつまでに持ってくれば良いのか確認しておくことが大切です。
保険が適用されないケース
保険が適用されないケースは、上記の「保険が適用されるケース」に含まれていないすべての施術です。
最も多いのは、年齢や疲労による肩こりや腰痛、慢性的な痛みなどが挙げられます。これらはすべて保険が適用されません。
例えば、デスクワークで肩こりや腰痛がひどくなり、整骨院で施術を受けたとします。
この場合は、「疲労による肩こりや腰痛」と判断され、施術料は全額自己負担となります。
保険が適用されないケースの場合は、当然施術料は高くなり、金銭面での負担も大きくなります。
「高いお金を払って長期的に通院しているのに改善が見られない」という場合には、返金を求めたくなることもあるでしょう。
ですが、整骨院に返金を求めても、基本的には返金してもらえません。整骨院で行なう施術には個人差があるためです。
保険が適用されないケースは、費用面での負担が大きくなります。そのため、施術を受ける場合は柔道整復師や整体師とじっくり話し合い、どのような効果があるのか、どれくらいの効果が見込めるのかなどを確認した方が良いでしょう。
整骨院の返金に関する注意点
整骨院に返金を求める際には、いくつかの注意点があります。仮に保険適用の施術を受けていたとしても、これからご紹介する注意点をクリアしていなければ、返金を求めても応じてもらえないケースもあります。
ここからは特に注意すべき点についてご紹介しつつ、掘り下げて解説します。整骨院で施術を受ける際や返金を求める際には、以下のことに注意してください。
病院で治療を受けている場合は保険は使えない
病院や診療所で治療を受けている場合、保険証を使用して整骨院で施術を受けることはできません。病院や診療所と、整骨院や接骨院との保険証の併用はできないのです。
例えば、
スポーツをしていて捻挫をした人が、病院でそのための治療を受け、それと並行して近くの整骨院で、同じスポーツが原因での捻挫を改善するための施術を受けたとします。
通常、整骨院で捻挫に関する施術を受ける場合は、保険が適用されます。また、捻挫に関しては医師の判断は不要なので、紹介状などを持参する必要もありません。
ですが、この人はすでにスポーツで起こった捻挫について、継続した治療を病院で受けています。
病院での治療に関しては保険が適用されています。それと並行して、整骨院で捻挫を改善するための施術を受ける場合は、保険は使用できません。自費で施術を受けることになります。
同じ負傷部分を改善するために、保険を使って整骨院で施術を受けるためには、病院での治療を終えてからでなければいけないということです。
もう病院に通院しないとなった翌月から整骨院で施術を受けると、保険を使うことができます。
施術後に「療養費支給申請書」の内容を確認
整骨院で施術を受けると、療養費支給申請書にサインを求められます。とても細かい内容が記されていることが多く、言われるがままにサインをしてしまう人もいます。ですが、内容はしっかり確認することが大切です。
療養費支給申請書とは、施術を受けた人が健康保険組合に医療費の請求をすることを、柔道整復師や整体師に委任するためのものです。
この療養費支給申請書に誤りがあると、保険請求で不備とみなされ、全額自己負担になる場合もあります。
特に注意をしなければならない点は、傷病名と日数と金額です。これらに誤りがあると不正受給とみなされ、罪に問われることもあります。
自分の名前や保険番号などに注意を払うことももちろん大切ですが、傷病名・日数・金額にも注意して内容を確認しましょう。
領収書は必ず保管する
施術内容や施術日数などによっては、保険組合が直接施術を受けた人に確認する場合があります。主な確認内容としては、通院した日にちや金額などです。
通院した日にちや金額を正確に伝えるために、領収書は必ず保管しておきましょう。
誤りがあると保険請求ができなくなり、全額自己負担とみなされることもあります。また、不正受給とみなされ、整骨院や接骨院が罪に問われるという可能性も出てきます。
保険の問い合わせ方法は電話や文書です。
いつ、保険組合から確認の連絡が来ても良いように、施術を受けた領収書はひとまとめにし、すぐに確認できる状態にして保管しておきましょう。
なお、文書で確認の問い合わせが来た場合は、施術を受けた本人が記入して返送するのが鉄則です。整骨院や接骨院に文書を持ち込み、代わりに書いてもらって送り返してもらうという行為は違反ですので注意してください。
まとめ
整骨院での返金について解説してきました。整骨院で使わなくなった回数券は、基本的には返金してもらえません。何故なら、回数券は保険適用外であり、自己負担分に関しては本人と相手との同意の上で購入したものだからです。
ただし、消費者センターなどへ相談することで返金に応じてもらえることもあります。諦める前に消費者センターに問い合わせをしてみるのも一つの方法です。
また、整骨院での返金の条件は基本的には保険適用の施術のみです。保険適用の施術に関しては制限があります。今回ご紹介した内容を参考にして、施術を受ける場合には柔道整復師や整体師の話をよく聞いて確認しましょう。