2020/03/22
柔道整復師とは

柔道整復師に本当に必要な技術とは?スキルや経営での役立て方を解説

柔道整復師 技術

柔道整復師と聞くと、何となくスポーツの柔道を思い浮かべる人もいるでしょう。柔道整復師と呼ばれている人はどんな技術を持っているのか知らない、という人もいます。

そこで、柔道整復師の技術の歴史やマッサージ師や整体師との違いについても、解説します。

柔道整復師とはどんな技術を持っている人?

柔道整復師は、打撲やねんざ、肉離れや骨折・脱臼などを、注射や投薬を使わずに治療する技術を持っています。患者様とコミュニケーションを取りながら患部に手を当てて触り、治療していきます。

大きなポイントは、注射や投薬を使わないという点です。患部に触れながら痛みを取り除くため、高い技術が必要とされます。また、どのあたりがどのように痛いのかということは、患者様本人しかわかりません。そのため、高いコミュニケーション能力も必要です。

最近は、働く女性が多くなってきたため、肩回りや腰回りを痛める女性が増えてきています。身体を触られるという治療ですから、男性だと不安だと感じる女性も多くいます。この点から、女性の技術取得者も増加傾向にあります。

柔道整復師の技術の歴史

柔道整復という技術が広がり始めたのは大正時代に入ってからだと言われています。

もともと柔道は相手を投げたり締めたりするという日本のスポーツです。そのため、打撲や関節を痛めたりする人が多いスポーツでもありました。そのような、痛めた部分を治療するという観点から始まったのが、現在の柔道整復術です。

柔道で痛めた部分だけでなく、日常生活で起こる腰痛や肩こりはもちろん、交通事故などで痛めた患部にも効果があるとされ、最近は幅広い分野で治療する機会が増えました。

柔道整復師はいらない?マッサージ師や整体師との違い

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以前はさまざまな観点から、資格取得者、患者の双方から柔道整復師資格自体の有用性について疑問の声が上がっていました。

その理由として挙げられるのが以下の通りです。

観点

内容

患者サイド

  • 通院しても治らない
  • 治療費が院によって違う

柔道整復師サイド

  • 不正請求

患者側は、通院しているのに目立った回復が見られないという点や、治療費が院によって違う点などから、クリニックなどに比べて不安を抱くことが多い傾向にありました。「何回通院しても良くならない」という不満を抱く方もいることでしょう。

また、柔道整復師サイドから上がる声として、社会問題にもなった「不正請求」が挙げられます。そのようなことがまかり通っている現場に耐えられないという柔道整復師からの声です。

ただ、これらについては更に厳しい規制が設けられました。

保険請求については施術管理者としての資格を取得しなければならないという条件がついています。この資格を取得しなければ、保険請求ができないため、不正請求は減少傾向にあります。

また、施術管理者としての資格を取得する必要が生まれたため、柔道整復師のスキルも上がりつつあります。保険請求できない場合は自費治療をするしかありません。自費治療のみで患者様を取得するには高いスキルが要求されますから、必然的に柔道整復師のスキルは高くなっているのです。

マッサージ師との違い

マッサージ師は正式には「按摩マッサージ指圧師」と言います。具体的な施術内容としては、患部を揉みほぐすと同時に、指で患部を抑えて筋を伸ばしたり柔らかくしたりします。更にオイルを使って患部を優しくマッサージするという行為も行ないます。

国家資格が必要となりますが、柔道整復師のような実技試験はありません。

整体師との違い

整体師は、カイロプラクティックが含まれます。独自のさまざまな技法を用いて、患者様の施術にあたります。技法は勉強したところによって異なるため、独自の治療法を編み出しているところも多くあります。

国家資格はありません。民間の資格を取得する必要があります。

柔道整復師の技術を習得するには

柔道整復師はその施術や技術が医療行為にあたるので、国家資格が必要です。技術を習得するには国家資格に合格しなければなりません。ただ、国家資格は誰でも与えられているわけでははなく、決められた教育課程を修了する必要があります。

学校卒業

柔道整復師の国家試験の受験資格を得るには、養成学校を卒業する必要があります。養成学校は大学・専門学校の2種類あり、専門学校では全日コースと夜間コースの2種類があります。

大学の場合は、通常4年間通学することになります。これは、柔道整復師としての国家試験資格を得ると同時に、教職免許も取得できるようにカリキュラムが組まれているからです。また、スポーツトレーナーの資格も同時に取得できる大学もあります。

専門学校は全日コースと夜間コースの2種類がありますが、通学期間は3年間です。全日コースの場合は、朝から夕方頃まで専門学校に通って勉強します。また、実習を兼ねた接骨院や整骨院でのアルバイト斡旋もある専門学校もあります。

専門学校の夜間コースは、主に社会人向けのカリキュラムです。一般企業などにすでに就職している人がスキルアップのために通学します。現在、社会人のスキルアップには国のバックアップがあります。柔道整復師の資格を取得するために夜間コースに通学すると、学費免除などの補助が出ることが多くあります。

国家試験合格

さまざまな専門学校や大学などでは、国家試験の平均合格率がホームページ上で公開されています。ほとんどの学校では70~75%と掲載されているでしょう。

ですが、2019年の柔道整復師における国家試験の合格率は65.8%でした。国家試験の内容は年々難しくなってきているため、合格率も減少傾向にあります。

また、国家試験に合格したからと言って、柔道整復師としての免許がすぐに発行されるわけではありません。免許登録の手続きを経て、ようやく柔道整復師としての免許が発行され、施術や治療に携わることができます。

ちなみに国家試験の料金は16,500円、免許登録には手数料と免許税を含めて13,400円かかります。

柔道整復師に必要なのは技術だけじゃない?

柔道整復師に必要なのは、技術面だけではありません。開業を考えているのなら、経営についても深く学ぶ必要があります。経営の知識はそのまま売り上げに反映されるからです。

集客方法と経営について簡単に説明します。

集客

集客は経営していく上で最も大切な観点のひとつです。どれだけコンスタントに患者様を集客できるかが、開業後の大きな課題にもなってきます。

方法としては広告やインターネットを利用したものがあります。ただ、広告を使う場合は、印刷代も必要になりますし、デザインを外注する場合はそのデザイン料も必要です。

また、インターネットを利用する場合は、SNSやホームページがあります。FacebookなどのようなSNSの場合は、登録すればあらかじめデザインは決まっているので、必要な情報を入力すれば完了です。ですが、ホームページの場合はデザイン料や管理をしていくことも考えなければなりません。

また、どんな人をターゲットにするのかということでも、集客するためのアプローチ方法は変わってくるでしょう。

経営

経営については、病院の規模や立地が重要になります。大きな病院を考えているのなら、それなりに人件費も必要になります。

また、都会のような人通りの多いところに開業する場合は、地代もかなりかかることを覚悟しなければなりません。集客率は上がるかもしれませんが、その分家賃や地代がかかるので、料金設定は注意しなければならないでしょう。

将来のことも見越した計画を立て、時々見直して修正するということを繰り返し行なう必要があるのです。

まとめ

柔道整復師は今後、ますます高い技術が求められるようになります。また、女性の患者様は増加傾向にある為、女性の立場に立ったスキルを身につけたり、経営も女性をターゲットしたものに変えたりする必要があるでしょう。
国家資格ですから、身につければ必ず将来役に立ちます。目指している人は長くて広い視野で計画を立てて技術を活かしていきましょう。