柔道整復師になるには学校に通い、国家試験の受験資格を得る必要があります。
それでは、柔道整復師になるにはどれくらいの学費が必要になるのでしょう?大学、専門学校、夜間学校など、学校の種類によって学費は大きく異なります。
それぞれどれくらいの学費が必要なのか見ていきましょう。
柔道整復師学校の学費は安い?高い?
柔道整復師になるには、養成学校で3年間の教育課程を修了する必要があります。その後、国家試験を受けて資格を取得するのです。
柔道整復師の養成学校は大きく分けて大学・専門学校・夜間学校の3つに分けられます。それぞれの大まかな学費については次の通りです。
大学 |
400万円~700万円 |
専門学校 |
200万円~600万円 |
夜間学校 |
200万円~500万円(給付制度や免除制度あり) |
学校の種類によって学費に違いがあることは一目瞭然です。このような違いが生まれるのはどうしてなのでしょう。さらに掘り下げて解説します。
大学の特徴
大学の場合は、柔道整復師としての受験資格を得るだけではなく、大学を卒業したという証明も取得することができます。大学卒業生という箔がつきますから、就職ではかなり有利になるでしょう。
また、他の大学と同じですから、一般教養も勉強するというおまけもついてきます。専門的な知識だけではなく、幅広い教養を得ることになります。
大学のカリキュラムには柔道整復師と並行して、スポーツトレーナーのカリキュラムが盛り込まれていることもあります。柔道整復師に限った知識だけではなく、幅広い経験もできるので、学費は高くなるのです。
さらに、この学費には大学入試のために必要な金額は含まれていません。さらに入試のための費用が上乗せされるということも注意してください。
専門学校の特徴
専門学校の場合は、柔道整復師としての専門的な知識や技術に特化したカリキュラムを受けることができます。当然、国家試験対策も万全です。そのために別のカリキュラムを用意している専門学校もあります。
大学では補えない細やかなサポート体制が整っている専門学校も多くあるため、学費には大きな差が生まれます。
また、専門学校で注意が必要なのは、実際に授業を受け始めてからもお金がかかる場合があるという点です。他院のような学校以外の場所で実習を行なう場合もあります。その時の交通費等は自腹になるので、更にお金がかかることになります。
さらに海外実習を取り入れている専門学校もあります。国内ではまだ浸透していない専門的な技術を身につけることができる点は大きいですが、当然この場合の旅費等も自腹です。
夜間学校の特徴
夜間学校は、大学や全日の専門学校に比べて学費は比較的安くなります。その理由は、対象が社会人だからです。働きながらスキルアップを目指す人をバックアップするための制度が整っているため、学費は安くなります。
また、夜間コースだけの入学金免除制度や、学費免除制度、奨学金制度なども用意されています。社会人は学生に比べて勉強する時間が限られているため、金銭面での負担を少しでも減らしてあげようというサポートが多く用意されているのです。
学費が安いからと言って、カリキュラムの内容が薄くなるということはありません。夜間学校の多くは専門学校ですから、国家試験に特化したカリキュラムも含まれていることが多々あります。
柔道整復師学校の費用負担を抑えるには?
柔道整復師の学費は夜間学校に通ったとしても300万円程度かかります。裕福な家なら問題ありませんが、多くの人たちは学費の高さに二の足を踏んでしまうでしょう。
ですが、柔道整復師の学費を抑えるための制度が用意されています。それは「学費免除制度」と「奨学金制度」と「給付金制度」です。どのような制度なのかについて、それぞれ詳しく解説します。
学費免除制度
学費免除制度は文字通り、学費を免除してくれる制度です。100%というわけではなく、どれくらい免除されるのかは学校によって金額が異なります。
すべての人たちが学費を免除されるというわけではなく、いくつかの条件が設けられています。その条件すべてをクリアすることで、学費の一部が免除されるのです。
柔道整復師の養成学校で多い条件では、スポーツ院でもドクターとしての資格を持っていたり、ジムに勤めていたりすると、学費の一部が免除されるということが多く見られます。
また社会人に限り、夜間学校にて学費の半額が免除になるというシステムを導入している学校も多くあります。働きながら柔道整復師の資格取得を目指している人は、学校の資料請求をする際、条件を確認するようにしましょう。
奨学金制度
項目 |
内容 |
第一種奨学金 |
無利息。学校の種類と家庭の収入基準で金額が決まる。 |
第二種奨学金 |
利息有。家庭の収入基準によって金額が決まる。 |
入学時特別増額貸与奨学金 |
入学初年度に上限50万円で借りることができる。 |
ひと口に奨学金制度と言っても、その種類は3つあります。
第一種奨学金は基準が大変厳しく、学校の成績なども条件に含まれています。細かな条件が設定されており、それらすべてをクリアしなければ受けることはできません。
第二種奨学金は、家庭の収入基準という条件のみです。成績基準が設けられていますが、明確な評価点数の条件はなく、「やる気のある人」という条件をクリアしていれば借りることが可能です。
入学時特別増額貸与奨学金は、文字通り入学時に借りることができる制度です。上限も50万円までと決められています。
通常は、第一種奨学金と第二種奨学金を併用して利用するのが一般的です。特に柔道整復師の専門学校に進学するとなった場合、第一種奨学金だけでは賄いきれません。二つを併用することで、学費の負担が大きく減ります。
給付金制度
給付金制度の種類 |
内容や条件 |
専門実践教育訓練給付金 |
厚生労働省認定の指定講座を、労働者又は離職者が自費で受講し、修了後に一部が支給される制度 |
教育訓練支援給付金 |
45歳未満の人が失業中に認定指定講座を受講した場合、その一部が支給される制度 |
給付金制度はハローワークで受けられる制度で、社会人が資格取得を目指すことを支援しています。給付金制度は上記の表のとおり、2種類あります。
一番多いのは、「専門実践教育訓練給付金」でしょう。柔道整復師は厚生労働省認定の指定鋼材に含まれていますから、学校に相談して手続きをすれば、学費の一部が戻ってきます。
また、条件さえ合えば「教育訓練支援給付金」も並行して受けることができます。ただ、こちらは年齢などの細かな制限があるので、受けることができるのか事前に確認しましょう。
柔道整復師になるには学費以外にも費用がかかる?
柔道整復師になるには、学費以外にも費用がかかります。それが、国家試験受験手数料と、免許登録手数料です。どちらも絶対に必要な費用ですから、必要経費を換算する際には忘れないようにしてください。
どれくらいの費用がかかるのかは、それぞれの項目で解説します。
国家試験受験手数料
国家試験受験手数料は16,500円です。例外や免除はありません。柔道整復師としての資格を取得するために必ず必要な費用です。
国家試験受験手数料は、公益財団法人柔道整復研修試験財団が指定する銀行、または郵便局の口座に振り込みます。直接財団に現金で支払うわけではありませんから注意してください。なお、振込手数料は別途必要です。
また、何らかの都合で国家試験が受験できなかった場合の払い戻しはありません。
免許登録手数料
柔道整復師としての資格を取得した後は、免許登録をする必要があります。この手続きをしておかないと、柔道整復師として仕事をすることはできません。
登録免許税として9,000円が必要です。これは印紙代になります。さらに新規登録の手数料として4,800円がかかり、合計で13,800円かかります。
学費が安い!おすすめの柔道整復師学校3選
柔道整復師の学校の中でも、学費が安いと言われている学校を3つご紹介します。
資格取得のために進学を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
新宿医療専門学校
学校名 |
学校法人小倉学園 新宿医療専門学校 |
アクセス |
東京都新宿区左門町5番地 |
学費 |
1年次:130万円、2年次:140万円、3年次:150万円 (3年間の合計420万円) |
定員 |
90名 |
国家試験合格率 |
97.6% |
公式サイト |
通常は3年ですが、1年プラスすると学士号取得コースに進むことができます。柔道整復師として独立開業したり、整骨院に勤めたりするだけでなく、教師として生徒に教える仕事に就くことも可能になるというのが大きな特徴です。
孔子の先生が大変素晴らしいという口コミが多く寄せられています。授業の内容が大変わかりやすく、学費は妥当だという声も多くあります。
北海道柔道整復専門学校
学校名 |
公益社団法人北海道柔道整復師会付属 北海道柔道整復専門学校 |
アクセス |
北海道札幌市中央区大通西18丁目 |
学費 |
1年次:152万円、2,3年次:各114万円(3年間の合計380万円) |
定員 |
昼間部:30名、夜間部:30名 |
国家試験合格率 |
85% |
公式サイト |
学校独自の医療求人があるので、勉強しながら病院で働くということが可能です。昼間部や夜間部で勉強しつつ、病院で実践を積み、即戦力になって勤めることができるのが安心です。
卒業してからも勉強会などが開催されて学校に通っている人が多くいます。先生は大変親身になって教えてくれるので頑張ろうと思えるという口コミが多く寄せられています。卒業後のサポートも含めて、学費に納得している人が多いようです。
森ノ宮医療学園専門学校
学校名 |
学校法人森ノ宮医療学園 森ノ宮医療学園専門学校 |
アクセス |
大阪市東成区中本4-1-8 |
学費 |
1年次:146万円、2,3年次:各126万円(3年間の合計398万円) |
定員 |
昼間部:60名、夜間部:30名 |
国家試験合格率 |
88.9% |
公式サイト |
1年次から付属のクリニックで実習が開始されます。学校にクリニックが付属されているので、生の患者様の声を聞くことができるというのが大きな特徴です。
最新機器などが取り揃えられているため、最先端の技術を身につけることができると高評価です。その点から学費は妥当だろうという声も多く集まっています。
まとめ
柔道整復師になるための学費は、決して安いとは言えません。ですが、他の学校に比べて施設での設備に経費がかかるので、仕方ないという声も多くあります。
学校選びをする際にはオープンキャンパスなども行われています。実際に学校を訪れてみて案内を受けてみるのが、自分に合った学校選びの基本と言えます。