2020/03/16
柔道整復師・開業独立

柔道整復師の開業資金・費用はどれくらい?維持費や調達方法まで

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柔道整復師として資格を取得し、それなりに経験も積んだら、次に考えるのは開業です。ですが、開業にはかなりの資金が必要だと言います。開業前にどれくらいの資金を準備する必要があるのでしょう。開業後にかかる維持費や資金の調達方法も合わせてご紹介します。

柔道整復師の開業資金の内訳

柔道整復師として開業するには、まずは開業資金を準備する必要があります。開業後もそれなりにお金はかかりますが、それよりも準備する方がもっと資金が多くかかります。

開業準備としてどれくらいの資金が必要なのかは、何にどれくらいの資金が必要になるのかを見ていくとわかります。

物件、機材・備品、広告費の3つに分けて、それぞれに必要な開業資金をご説明します。

開業に必要な物件資金

まず開業するにあたって最も必要になるのは物件です。柔道整復師として開業する為には、自分の病院が必要になるからです。自分の病院がなければ、自分の技術を駆使して施術をすることはできません。

また、開業準備資金の中で最も大きいのも物件にかかる費用です。すでに開業する場所が用意されている場合は、物件資金は0円のようなものですが、そうではない場合は新たに土地を取得したり、物件を賃貸したりする必要があります。これらにかかる費用が、開業資金の中で最も多い割合を占めています。

物件は場所によって金額に大きな変動があります。大都会の真ん中で開業するのなら、土地や物件を購入したり賃貸したりする資金は莫大な金額になります。それだけ地代そのものの価値が高いので金額も驚くほど高くなるからです。ですが、上手に宣伝をしたり独自の施術方法を取り入れれば、かなりの集客率が見込める可能性があるというメリットもあります。

反対に、都会から離れた場所で開業する場合は、土地や物件にかかる費用はかなり低くなります。地代の価値は都会に比べてかなり低いので、購入や賃貸にかかる費用は抑えられるのです。ただし、しっかりしたマーケティングをしなければ、集客率が悪くなるというデメリットが生じます。

その場所によって物件にかかる資金は金額がさまざまです。土地代だけではなく、保障費用や仲介手数料も含まれます。また、初回家賃も準備資金として組み込まれていますから、その分も考えなければいけません。これらすべてを含めると、物件資金として必要な金額は数百万円になります。

開業する前の内装に必要な資金

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物件を取得した後は、内装を整える必要があります。柔道整復師として開業するにふさわしい内装にする為には、それなりの資金が必要になるのです。

例えば、待合室と施術室の間には扉や壁などのようなものを設置する必要もあります。この二つの部屋を壁や扉で区切ることで、待合室で待っている人は落ち着いた気持ちで順番が来るのを待つことができます。また、施術を受けている人はリラックスした状態になります。さらに、施術を行なっている人も待合室と施術室の間に壁や扉があることで、施術に集中することができるというメリットもあります。

また、施術しているところを他の患者様に見られないように仕切りをつけたり、カーテンを設置したりする必要もあります。整骨院でも多く見られる、ベッドを囲むように取り付けられているあのカーテンです。施術を受けている人の中には、他人にそのような姿を見られたくないという人もいます。狭い空間の方が落ち着いた気持ちになる人も多いのです。その為、多くの整骨院などでは、施術ベッドの周りにカーテンが設置されているのです。

そして、忘れてならないのが受付です。受付はその病院の看板のような場所ですから、明るい雰囲気にするところが多くあります。その為、受付の壁紙だけ明るいものに変えたり、受付台を明るい色調のものに統一したりするところもあります。

どのような内装にするのかは、どんな施術を提供するのか、そしてどんな雰囲気にしたいのかによって変わります。ですが、開業資金として準備する場合は20~50万円程度かかると見ておきましょう。もし内装に凝るのなら、それ以上かかります。

開業に必要な機材の資金

開業に必要なのは土地代や内装費だけではありません。もう一つ忘れてならないのが、機材です。どのような施術を提供するのかによって、準備する機材は変わります。

その中でも絶対に必要となるのがベッドです。柔道整復師として施術をする場合、患者様には寝転んで施術を受けて頂くことになります。まさか床に寝転んで施術を受けて頂く、ということはないでしょう。当然、ベッドが必要になります。このベッドもさまざまな種類があります。あらゆる病院で取り入れられている通常のベッドもあります。ですが、整骨院などでよく見られる頭の部分に丸い穴が開いたベッドもあります。このようなベッドは通常のものとは違い特殊な為、値段が高くなりますから、注意しましょう。

また、低周波治療器などのような専門的な医療機器も必要になるかもしれません。マッサージだけでは届かないような場所に、ピンポイントで施術を行なう場合、やはりこのような専門的な医療機器を使うことになるでしょう。このような医療機器は専門的な技術がふんだんに使われている為、大変高額になります。

医療機器については中古品を購入するという方法もあります。ですが、これにはメリットとデメリットがありますから、注意が必要です。

【メリット】
新品よりも金額が大変安いので、経費がかなり安く抑えられます。

【デメリット】
医療機器にはメーカーの整備保証が義務付けられているので、整備にお金がかかる場合があります。中古で購入したけれど整備にお金がかかってしまい、新品で購入する時と同じだけの金額になってしまった、ということもよくあることです。

開業する為に必要な設備資金は、機材を新規で購入するとなった場合、少なく見積もっても200万円はかかると考えた方が良いでしょう。

広告費として必要な資金

柔道整骨院として開業した後、何もせずに患者様が来てくれれば良いですが、そんなに甘くはありません。ある程度自分で動いて宣伝をする必要があります。最初の患者様を掴む為には、それなりの努力とお金が必要になるのです。

広告料の多くはただではありません。チラシを作成して配るにしても、印刷代や紙代が必要になります。チラシを作成するにあたってデザインを発注するのなら、そのデザイン料なども必要になるでしょう。

また、新聞に広告を掲載するという方法もあります。この場合は、新聞の発行部数にって広告料が大きく変わります。全国紙の場合は、1/2ページで約300万円程度かかりますが、掲載される場所によっても金額が変わる為、しっかり調べましょう。

ただし、最近ではインターネットを使って宣伝するという方法を取っている人も多くいます。チラシを配ったり新聞などに広告を掲載するよりも低コストでお手軽なので、利用する人が多くいるのです。最も多く利用されているのはFacebookです。Facebookでは、独自のコミュニティが用意されています。柔道整復師や柔道整骨院を開業しているコミュニティに参加し、そこでこまめに宣伝することで集客率が増えることもあります。また、他では得られない有力な情報を得られるというメリットもあるので、利用者は増加傾向にあります。

どのように自分の病院を宣伝するかによって、広告料は変わります。チラシを作成して配ったり新聞などに広告を掲載したりする場合は、かなりの資金が必要になるでしょう。ですが、Facebookなどのようなインターネットを使えば、その利用料や通信費だけで抑えることが可能です。広告料については、どのように宣伝をするかを考えて見積もりを出してみると良いでしょう。

開業後にかかる維持費について

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柔道整復師として開業する為に必要な資金は、開業前だけではありません。開業した後は、それを維持して行く必要があります。維持しながら、開業前の必要経費を回収していくのです。

ただ、開業後にも当然維持費という形でお金がかかります。この維持費と収入のバランスが取れていないと経営は赤字になり、閉院を余儀なくされるということも起こるでしょう。

そのような最悪な事態を避ける為にも、開業後にかかる維持費についても概算を考えておく必要があります。

具体的に維持費についてはどのようなものがあるのか、詳しくご紹介します。

家賃や固定資産税

維持費の中で大きな割合を占めるのが、家賃や固定資産税です。物件が賃貸だった場合は当然家賃がかかってきます。また、購入した自分の土地に病院を建てた場合は、固定資産税が必要です。

家賃は開業している場所によって変わります。人通りが多い場所や駅前などは、当然家賃が高くなります。人通りが多い場所や多くの人たちが集まる場所は他界集客率が期待できる為、家賃も高くなるのです。また、大都会では土地自体に田舎よりも高い価値がついています。その価値も家賃に反映される為、場所によっては驚くほど高いところもあるのです。

例えば、大都会にそびえる高層マンションを考えてみましょう。駅からも近く、人が多く集まる場所に立っているマンションはその家賃が〇千万円しているところがほとんどです。これは、「都会」という価値も家賃に上乗せされているからです。

柔道整骨院として開業した場合の家賃は、マンションよりもさらに高くなる傾向があります。何故なら、仕事として利用する為、高い収入が見込まれているからです。人通りが多い場所や人が多く集まる場所で開業するには、それなりの集客力が必要だということになります。

固定資産税も同じです。都会から離れた場所と大都会では、その金額は大きく違います。これもその土地に「価値」という目に見えないものが上乗せされているからです。

開業前に物件を購入する際には、購入価格だけではなく、維持費としてどれくらいかかるのかも必ず考慮に入れましょう。

水道・光熱費や通信費

維持費として次に必要になるのが、水道・光熱費や通信費です。この中でも最も割合を多く占めるのは、光熱費でしょう。

柔道整骨院の設備には、電気を使った医療機器が数多くあります。このような医療機器を数多く取り揃えている場合には、当然それらを使った施術を行なうことになります。使う際には必ず電気が必要になりますから、使えば使うほど電気代は上がっていきます。

また、水道代も無視できません。柔道整骨院ではベッドを用意します。ベッドに敷くシーツやタオル、枕カバーなどは常に清潔にしておかなければなりません。ベッド数などが多い場合は、これらの枚数は多くなり、洗濯をする回数は増えていきます。最近は節水を謳った洗濯機もありますが、それでも水を使うことになりますから、水道代も高くなっていくでしょう。

通信費として挙げられるのが電話代です。患者様の予約を取る際には電話を使います。また、最近の柔道整骨院では、ホームページを持っているところもたくさんあります。それを維持していく為の維持費も通信費に組み込まれるのです。

人件費

人件費は、どのような運営を行なっていくのかによって大きく変動します。

開業したばかりの時は固定患者様もあまりいませんから、自分一人ですべてを切り盛りしていくということも可能でしょう。ですが、口コミで病院の評判が広がり、患者様の人数が増えていくと、自分一人だけでの運営は厳しくなります。

施術中に予約の電話がかかってきた場合、施術の手を止めて電話を取らなければなりません。患者様は落ち着かない気持ちになるでしょう。かといって電話を取らなければ、せっかくのチャンスを逃してしまうことになります。

もし家族がいるのなら、受付などのような施術に関わらない仕事は家族に行なってもらうということができます。その場合は、人件費はあまりかかりません。ですが、家族の協力が得られない場合は、他人を雇うことになります。拘束時間や仕事量を考えて金額を設定しなければ、募集しても誰も来てくれません。このように考えると、人件費もかなり必要になる可能性が高いのです。

雑費

柔道整骨院で忘れがちなのが、雑費です。ここには、フェイスペーパーやティッシュ、枕などが含まれています。

施術を受けに来る人の中には、お化粧をした女性も多くいます。施術を受けて頂く時にはうつぶせになって寝転んでもらうことが多くなるでしょう。その場合、何もしないでうつぶせになってもらうと、化粧品が枕やベッドについて汚れてしまいます。それを防ぐ為に用意するのがフェイスペーパーです。

また、枕はずっと同じものを使用しているとボロボロになってきます。また、頭や顔を乗せるものですから、何年も同じものを使っているのは不衛生です。適度に変える必要があります。

このような雑費にもかなりお金が必要になります。開業した後、維持費として大きなものに目が向きがちですが、細かく見ていくと雑費が占めている割合もかなり高いというのが現状です。必ず忘れないようにしましょう。

資金調達の方法

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柔道整骨院として必要な資金は、開業する前なら少なくとも1,000万円必要になります。また、開業した後すぐに固定患者様がついて収入がうなぎ登りになれば良いですが、現実はそんなに甘くありません。固定患者様がつくまでは、維持費もある程度準備しておく必要があります。

これらの資金を自分一人で用意するのは難しいでしょう。その場合は、資金調達のシステムやサービスを利用しましょう。

日本政策金融公庫(国金)

日本政策金融公庫は、政府出資100%の金融機関です。日本という国がお金を貸してくれるので、高い金利が付くという心配がありません。

これから起業しようとする人や、起業して間もない人たちの為に、無理のない範囲内でお金を貸してくれます。その際、返済計画も相談に乗ってくれるので、お金に関する不安が和らぐでしょう。

日本政策金融公庫にはホームページがあります。ホームページでは、事業資金の返済趣味レーションができるページも用意されていますので、興味がある方は一度ご覧ください。

保証協会を利用した金融機関からの融資

金融機関から融資を受けるという方法もあります。日本政策金融公庫では、あくまで安全に返済できる枠組みでお金を借りることができます。これは言い換えるなら、充分な資金調達ができない可能性があるということでもあります。

その為、日本政策金融公庫からお金を借りつつ、金融機関からの融資も得るという方法を取っている人が多くいます。足りない分を金融機関の融資で賄うのです。

ただし、金融機関は慈善事業を行なっているわけではない為、必ず融資が受けられるわけではありません。日本政策金融公庫よりも審査や条件が厳しく、相談しても断られるというケースが多くあります。

そこで登場するのが保証協会です。保証協会とは、あなたの保証人になってくれるところです。もしあなたが銀行から借りたお金が返せなくなった時、保証協会があなたに代わって返済すると銀行に約束してくれます。

保証協会という後ろ盾があれば、銀行は貸倒損失を防ぐことができるわけですから、融資を受けられる可能性が高くなります。

保証協会を利用するには、審査が必要です。この審査に通れば銀行から融資を受けることができますから、まずは保証協会の審査を受けましょう。

まとめ

柔道整復師として開業するには、それなりの開業資金が必要になります。少なくとも1,000万円必要だと聞いて、心が折れそうになっている人もいるかもしれません。

ですが、事業として開業する資金としてはかなり低めなのです。例えば飲食店を開店しようとした場合、必要な準備資金は2,000万円とも5,000万円とも言われています。準備する材料などにかなりの金額がかかる為です。

上を見ればきりがありませんが、下を見てもきりがありません。資金調達する方法もたくさんありますから、それらを上手に利用して開業を目指してください。