2020/07/01
柔道整復師・開業独立

柔道整復師の実務経験期間証明書の取得・書き方は?

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柔道整復師として独立開業を目指している人にとっては重要な書類とも言える実務経験期間証明書。ですが、手に入れるにはどうすれば良いのかわからない、という人もいるでしょう。

そこで、実務経験期間証明書の取得方法はもちろん、入手できない場合の対処方法などについても解説します。

実務経験期間証明書とは?

柔道整復師にとって、実務経験期間証明書とは大切な書類です。ですが、すべての柔道整復師にとって重要な書類というわけではありません。

そもそも、実務経験期間証明書とはどういう書類なのでしょうか?そして、どのような立場にある柔道整復師にとって重要なのでしょう。

まずは、実務経験期間証明書そのものの役割について解説します。

実務経験期間証明書の取得に必要な期間

カレンダー

届出期間

必要な実務経験期間

平成30(2018)年4月~令和4(2022)年3月

1年間

令和4(2022)年4月~令和6(2024)年3月

2年間

令和6(2024)年4月以降

3年間

実務経験期間証明書には「必要な期間」が定められています。これは厚生労働省が定めており、届出をする時期によって必要な期間は異なります。

実務経験期間とは、柔道整復師の資格を取得してから管理者のもとで働いた期間です。

管理者のもとで働いていても柔道整復師としての資格が未取得の期間、または柔道整復師の資格を取得していたけれど管理者のもとで働いていなかった期間は、いずれも実務経験期間証明書に必要な期間として認められません。

なお、届出期間によって段階的に必要な実務経験期間が異なっているのは、平成30年4月から施行された法改正のためです。改正後の条件をすべての人たちが満たせるわけではないため、段階的に必要な実務経験期間を引き上げるという経過措置を行なっています。

施術管理者になるために必要になる

実務経験期間証明書は、管理施術者になるために必要な書類です。ただ、柔道整復師全員が、管理施術者にならなければいけない、というわけではありません。管理施術者を目指さない柔道整復師にとっては、実務経験期間証明書は必要のない書類です。

ただし、施術管理者としての資格を取得しておくと、大きなメリットがあります。それは、保険適用の施術を行うことができるということです。

柔道整復師が独立開業をした場合、保険適用での施術を行おうとする人が多くいます。その方が、患者様の費用負担が少なくなるからです。

柔道整復師が、施術管理者の資格を取得しないまま独立開業をした場合、施術はすべて自費扱いになります。すると、患者様の費用負担は大きくなります。

多くの患者様はできるだけ安い費用で施術を受けたいと考えていますから、自費でしか施術を行なわない整骨院や接骨院は敬遠される可能性が高くなります。

患者様がほとんど来てくれなくなると、整骨院や接骨院は立ち行かなくなるでしょう。結果、収入がほとんどないという理由で廃業を余儀なくされる、という結果に陥ります。

このようなことにならないようにするため、独立開業を目指す多くの柔道整復師は施術管理者の資格を取得します。この時、実務経験期間証明書が必要になるのです。

実務経験期間証明書の書き方

実務経験期間証明書は、柔道整復師として実務経験を積んだ施術所の管理者の証明が必要です。自分で書くのではなく、柔道整復師として従事していた整骨院や接骨院の管理者に書いてもらい、証明してもらうということです。

実務経験期間証明書は厚生労働省のホームページからすぐにダウンロード可能で、記載項目も少ないため、すぐに書いてもらうことが可能です。

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引用元:厚生労働省

ただし、実務経験期間証明書の書き方にはいくつかの注意点があります。

まず1つ目は、実務経験を積んだ施術所が登録施術所であるということです。地方厚生局や地方厚生支局では、従事していた施術所が登録施術所であるかどうか確認できます。登録されていれば、必要な実務経験期間として認められます。

ですが、もし登録されていない場合は、自分が柔道整復師としての資格を取得していたとしても、必要な実務経験期間として認められないため、いくら証明してもらっても無効です。必ず確認しましょう。

実務経験期間証明書のダウンロードはこちら

実務経験期間証明書を取得するには

ノート ペン

実務経験期間証明書の取得方法

実務経験期間証明書を取得するには、柔道整復師として経験を積んだ登録施術所に依頼します。厚生労働省により、実務経験期間証明書の様式は決まっていますから、依頼すれば発行してもらえます。

実務経験期間証明書は、自分で書くものではありません。管理者としての資格がある人が「確かにこの人は柔道整復師として、当院で従事していました」という証明するものです。必ず、勤めていた施術所に依頼しましょう。

働いた施術所と連絡が取れない場合

ただ、働いていた施術所と連絡が取れないという場合もあるでしょう。すでにその施術所が廃業してしまったということもよくあるケースです。

このような場合は、雇用期間内の給料明細書や源泉徴収票を添付しましょう。どちらも正式な書類なので、実務経験の証明として認めてもらえます。

給料明細書や源泉徴収票の発行は、雇用する側に義務付けられています。雇用される側の柔道整復師もこれらは大切な書類ですから、必ず保管しておいてください。

雇用・退職の届け出は忘れずに

柔道整復師側として気をつけたいのは、雇用や退職の届け出忘れです。柔道整復師は資格を使って仕事に従事する場合、勤務初日から10日以内に保健所に届け出をしなければいけません。退職も同じで、退職日から換算して10日以内に保健所に届け出を行ないます。

雇用や退職の届け出を忘れると、登録施術所で、必要とされている期間の実務経験を積んだのに証明してもらえない、ということが起こります。すると、当然実務経験期間証明書も発行してもらえませんし、仮に発行してもらえたとしてもその書類は無効になります。

施術管理者になるには施術管理者研修も必要

施術管理者になるには、実務経験期間証明書だけでは不十分です。施術管理者研修の受講も必要条件に含まれています。

施術管理者研修は、患者様にとって質の高い施術を行うと同時に、適切な保険請求を行なうことを目的としています。研修は16時間以上と決められており、通常は土日祝の2日間で行なわれます。

なお、施術管理者研修には20,000円の費用がかかります。無料ではありませんから、その点は注意してください。

施術管理者研修の申し込み方

施術管理者研修の申し込みは、公益財団法人柔道整復研修試験財団のホームページから行います。ホームページ上に詳細が公開されますので、それに従って申し込みを行ないましょう。

ただ、最近は施術管理者研修の申し込みには、多くの柔道整復師が殺到します。会場のスペースも限られているため、場所によっては申し込みが開始されてからわずか10分程度で満席になり、申し込みができなくなることもあります。

施術管理者研修を受講しようと思っている場合は、こまめに公益財団法人柔道整復研修試験財団のホームページをチェックすることをおすすめします。

施術管理者研修の注意点

施術管理者研修は、申し込みが完了したからと言って必ず受講できるというものではありません。特に2020年度は、申し込みが殺到することが予想されるとともに、質の高い施術管理者を育成することが狙いでもあります。そのため、一定の条件が設けられています。

1つ目は、特例対象者です。「確約書」を提出し、受領委任の取扱いの登録かもしくは承諾をされている人が対象です。ちなみに「確約書」とは、後日研修修了証を提出しますという内容を示す書類です。

2つ目は、すでに開業を行っている人です。保健所に開業届を行なっている人が対象です。開業届を行なっていれば、受領委任の取扱いが未登録でも対象となります。

3つ目は、開業準備を行っている人です。不動産の売買又は賃貸契約を済ませている人、もしくは設備・機材購入などが完了しているか契約をされたひとが対象です。これらを証明するものがあれば対象となります。

以上の3つの条件のいずれかに該当する人が、優先的に施術管理者研修を受講することができます。

該当しない人は、座席数にゆとりがあれば受講できますが、満席の場合は申し込みが受理されません。次回以降に施術管理者研修の申し込みが開始された際、再び申し込みをする必要があります。

実務経験期間証明書の提出が必要ない場合

柔道整復師が施術管理者になる場合、実務経験期間証明書を必ず提出しなければならないというわけではありません。実務経験期間証明書の提出が不要な場合もあります。

それは、受領委任の取扱いの開始日が平成30(2018)年3月31日以前の場合です。対象となるのは受領委任の取り扱い開始日が平成30(2018)年4月1日以降の人です。自分の受領委任の取り扱い開始日がいつなのか確認しましょう。

まとめ

実務経験期間証明書について解説してきました。実務経験期間証明書は、施術管理者になるために必要な書類です。施術管理者になれば保険適用の施術を行なうことができるので、柔道整復師として独立開業をした場合には大きなメリットになります。

ただ、実務経験期間証明書は自分で書いて提出することはできません。万が一、勤めていた施術所が廃業してしまった場合は実務経験期間証明書が入手できなくなります。その場合は給料明細書や源泉徴収票が代わりになりますから、これらの保管もきちんと行っておきましょう。